チェンソーのメンテナンス方法
チェンソーってどうやって手入れをしたら良いの?
これからチェンソーを買おうかと迷っている人やチェンソー初心者向けにチェンソーのメンテナンス方法を記します。
最低限、これだけやっておけば大概はトラブル無く利用できる!
そういう手入れはわずか2つ、目立てと掃除だけです。
チェンソーは危険な道具なので不安に思う人も多いかと思います。
事故を起こしたら自己責任ですからね。
でも、慣れてしまうとチェンソーを使う前や後の手入れはそれ程難しくはありません。
初心者の方向けに、その2つのメンテナンス方法の概略をまとめました。
エンジンがかからない! プラグかぶり対処法
エンジンがなかなかかからない場合は、プラグがかぶっている可能性があります。
スターターの紐をひっぱり過ぎると切れてしまう事もあります。
そうなったらちょっと面倒です。
だから、紐を強く引っ張る前にプラグの状態を確認しましょう。
以下、プラグかぶりの対処方法の概略を記します。
- プラグを外して濡れていないか確認する
- 紙や布でプラグを拭く
- チェンソーのスイッチをOFFの位置にする
- チェンソーを逆さにしてスターターの紐を何度か引っ張る
プラグを外して濡れていないか確認する
工具でプラグを外します。
プラグは大概はチェンソーの上部についています。カバーを開けると外しやすい場所にある筈です。
点火部分が湿っていないか確認しましょう。
紙や布でプラグを拭く
湿っていたら紙や布などでふき取って乾かします。
エンジンの中が湿っていると、プラグを拭いた直後でも、また湿ってしまう場合があります。
その都度、拭き取り乾かす必要があります。
チェンソーのスイッチをOFFの位置にする
プラグが湿っているという事は中にガソリンが入り込んでいる可能性があります。
その為にチェンソーを逆さにしてガソリンが出てこないか確認する必要があります。
まずは燃料のガソリンがエンジンルームに流れない様に、スイッチをOFFの位置にします。
スイッチをOFF,STOPの位置にしないと、チェンソーを逆さにするとガソリンがエンジンルームに行ってしまいますからね。
無駄な作業をしていることになります。
実は私はこれを良く忘れてしまい、プラグかぶりを直すのに時間がかかったりします。
チェンソーを逆さにしてスターターの紐を何度か引っ張る
要は再度、プラグが湿らない様に、入り込んでしまったガソリンを抜きます。
その為にチェンソーを逆さにします。
時々、スターターの紐を引いて中を回転させてガソリンが出てくるのを促します。
チェンを研ぐ
チェンソーの多くのトラブルの原因は、熱です。
チェンソーを熱くさせ過ぎない、重要なメンテナンスはチェンの切れ味を良くする事です。
チェンの切れ味が悪いと往々にして、エンジンをふかして回転数を上げがちです。
必然、チェンソーが熱くなります。
使っている本人にも負担があり、疲れやすくなります。
切れ味が悪くなったら、こまめにチェンを研ぐ様にしましょう。
手でチェンを研ぐ方法
大概のチェンは手で簡単に研ぎ目立てすることが出来ます。
目立ての仕方のポイントは2つです。
- 丸ヤスリをチェンに30度の角度で押し当てます
- 丸ヤスリの1/5程がチェンより上に出ている必要があります
これをチェンの各刃毎に丸ヤスリを押し出して研いでいきます。
どの位、研げばいいのかは、チェンの状態次第です。
目立てガイドを使いましょう
30度の角度で押し当てるのは難しくはありません。
丸ヤスリの1/5程がチェンより上に出すのが難しいです。
それ故、30度の角度だけを示した目立てアングルプレートでは、ちゃんと目立ては出来ないでしょう。
目立てヤスリホルダーなら丸ヤスリの1/5程をチェンより上に出す設定をしてくれます。
私が使いやすいと思えるのが、ハスクバーナの目立てゲージです。
ローラーが付いていて、丸ヤスリを前に押し出しやすいのです。
角度も上の様にセットすれば、意識しなくとも30度にすることができます。
小さいので持って行きやすいです。
ちょっと取り出して、研ぐことができるというのも嬉しいです。
ヤスリホルダーは初心者にはおすすめの目立てガイドです。
チェンを研ぐ場所
ローラがついている目立てゲージを使って、下の様に設置して研いだ場合を見てみます。
拡大すると、下の様になります。
チェーンの刃の斜めの部分が丸ヤスリとしっかり接触しているのが分かると思います。
丸ヤスリを移動させることにより、刃の斜めの面が擦れて研げるというわけです。
一方、目立てゲージを使わない場合は下の様になります。
チェーンの刃の斜めの面が丸ヤスリと接し難くなります。
丸ヤスリの1/5程がチェンより上に出すには、目立てゲージや目立てヤスリホルダーを使わないと極めて困難です。
電動目立て機で研ぐ方法
通常、4ミリの丸ヤスリでチェンを研ぎますが、
太いガイドバーに装着するチェンは太く、4.8ミリの丸ヤスリを使う場合もあります。
4ミリ同様、手で研ぐ人もいますが、実際やってみると摩擦抵抗が大きく手で研ぐのは大変です。
それ故、電動の研ぎ機を使うと便利です。
私が使っているには下の様なタイプの電動目立て機です。
30度の角度もセットすれば自動的に設定されます。
かなり高回転で砥石のビットが回りますので、下の様に研ぎ過ぎてしまわない様に注意が必要です。
インパクトドライバーでもヤスリが装着出来れば利用することが出来そうに思えます。
下の様な小さめなインパクトドライバーもあります。
この様なインパクトドライバーに装着出来るヤスリも売られています。
研ごうとすることは出来るのですが、やはりガイドがないと正しい位置を研ぐことは出来ません。
下の様なガイドなら、30度の角度は合わせることが出来るでしょう。
でも、チェーンの刃の斜めの面を研ぐのは難しいです。
研いでも切れなくなるチェン
チェンを切れる様に研ぐというのは難易度が高いです。
研いでいる内に切れなくなって来ます。
新品の時はあんなに切れたのに!
切れなくなる理由は様々あります。
例えば、刃の大きさがまちまちになってしまう場合、大きい刃は役立たずになります。
つまり、チェンは刃の大きさが大幅に違うと切れなくなります。
チェンを研いでも、切れない場合は、ノギスで刃の大きさを全部測って確認する必要があります。
でも、チェンを研ぐのにそこまで手間をかける人は少ないですね。
私たちは木を切る職人ではないので、チェンはだんだん切れなくなって来ると割り切った方が無難だと私は考えています。
新しくチェンを買い替える
大概はチェンは手ごろな値段で買うことが出来ます。
チェンを買い替える場合、チェンソーの機種名とガイドバーの長さが分かっていると購入することが出来ます。
スチールのチェンソーのガイドバーを見るとチェンの情報なども記載されています。
例えば下のMS180のガイドバーには、図入りでいくつか数字が示されています。
スチールの純正のチェンを買う場合、カタログから該当するチェンを探すのに以下の3つを確認する事になります。
- バーの長さ
- ピッチ
- ドライブリンクの厚さ
ここでいうと、35cm、3/8P と 1.3mm といった表記です。
この中で注意が必要なのは、バーの長さです。
表記ではチェンソーから前に出ている部分の長さを示しています。
バーの全長ではありません。
参照) スチールのソーチェン一覧
純正品以外にも、オレゴンが適合したチェンを出している場合があります。
そちらの方が安い場合もあります。
ネットの方が自分のチェンソーに合うチェンを探しやすく買い易いです。
チェンソーを掃除する
チェンソーのカバーさえ外したことない!
それだと遅かれ早かれチェンソーは壊れてしまうでしょう。
カバーを開けると下の様に切り粉がドロドロに付着しています。
汚れやすいですからね、チェンソーは。掃除は不可欠です。
チェンソーは熱くなり易いです。特に摩擦熱!
チェンソーを摩擦熱から守る為にチェンオイルは無くてはならないです。
チェンソーを使っている内に切り粉が付着して汚れます。
チェンオイルが出て来にくくなります。それで掃除をする必要があります。
チェンソー本体の掃除する箇所
チェンオイルが出て来る穴があります。
その穴が切り粉でつまってしまうと具合が悪くなります。
大概は肝心な部分だけ伐り粉がチェンオイルで流れている筈です。
下の写真は掃除する前の本体のガイドバーの取り付け部分です。汚れています。
〇で記した箇所が、オイルの通路になっています。
細い棒、私の場合は丸ヤスリの根元部分を使って、凹みや穴から切り粉をかき出します。
その穴の周りもブラシなどを使って切り粉を掃除します。
また、エアフィルターもチェックしましょう。
取り外して伐り粉が付着していれば掃除します。
ガイドバーの掃除の仕方
チェンオイルはガイドバーの内側の溝を伝わりガイドバー全体に行き届きます。
ガイドバーの内側の溝に切り粉がつまるとチェンオイルの潤滑が悪くなります。
特に長いガイドバーは要注意です。
長いとガイドバーは頑丈に作られるので太さもあります。
溝も大きいので伐り粉が詰まり易いです。
切り粉をかき出して掃除しましょう。
この時、ガイドバーの溝に薄い板などを差し込むと掃除がし易いです。
下の目立て角度ゲージの先がガイドバーの溝を掃除する形状になっています。
私はこの目立て角度ゲージを使って掃除しています。
チェンをチェンソーに取り付けた時にやっておきたい操作
チェンソーの掃除をしたり、チェンを取り替えたりした際、チェンソーにバーとチェンを取り付ける作業をします。
出来たつもりでいても、しっかり取り付けられていない場合があります。
チェンがチェンソーに確実に取り付けられていないと事故になる可能性もあります。
でも、ほんのちょっとの操作で確認する方法があります。
下の動画を参照下さい。
チェンソーの危険サイン
チェンソーを使っていると、なんかいつもと調子がおかしいと感じる時があります。
そういう時は、チェンソーが熱くなっていないか確認して下さい。
下記の様な時はチェンソーが危険サインを出しているのかもしれません。
気を付ける必要があります。
- チェンが頻繁にはずれる
- エンジンが急に止まる
- チェンが焼けている
- 研いでもチェンの切れ味が悪い
- オイルキャップを開けたら、オイルが噴出して来た
慣れるとチェンソーはある程度扱う事が出来ます。
でも、パーツの中には消耗品も多く、不具合も起きます。
直すとなると費用もかさみ、厄介な道具でもあります。