傾いた木を倒したい方向に倒す伐り方
立木の伐採は、実際やってみると難しいです。
下の様に重心が中央にある綺麗な木は少ないです。

植物は走光性がありますから日が当たる方に枝を伸ばすので、大概の木は重心が片寄っています。

傾いた木はどの様に伐倒したらいいのか?
伐り方について、エッセンスを記します。
木の前後に重心がある木の追い口の入れ方の違い
木の重心が倒したい方向にある場合と真逆にある場合、追い口の入れ方が大きく異なります。

倒したい方向に木の重心がある場合
倒したい方向に重心がある木は、斜面などでよく出くわします。
一見、ちょっと切れば勝手に倒れてくれそうです。
でも、追い口を入れている最中に、木が勢いよく倒れてしまうと、怖いです。
木が裂けてはねる!
災害事例があります。
参照 縦に裂けて襲い掛かる木

偏心した立木の追い口を切り進めたところ、縦に裂け上がって折れて被災者に激突した | 災害事例研究
林業・木材製造業労働災害防止協会のホームページです。森林を守り育てる林業と、生産された木材を活用する木材製造業の職場が、安全で快適なものとなることをめざし、当協会は、厚生労働省の指導のもとに事業者の皆さんの活動を支援し、「労働災害のない安全...
裂け上がりという恐ろしい状況は是非、避けたいです。
それ故、安全に退避できる時間を作る為には ・・・
追い口の位置を通常より高くします。
そうなると、ツルの縦が長い形になります。

また、幹にラッシングベルトなどを追い口の上辺りに巻いておくと木の裂ける力を抑制できます。
避難する時間を稼げ安全性が増します。
それにやはり、追い口切りより、追いヅル切りの方が安心だし安全です。
倒したい方向とは真逆に木の重心がある場合
上とは逆に倒したい方向とは真逆に重心がある木は厄介です。
伐倒は重心を倒したい方向に向けさせることが肝だからです。
チルホールなどで引っ張れば重心を前に移動させ易いです。
でも、実際は必ずしもチルホールが使える場所ばかりではありませんね。
後ろに傾いた木を起こすには、クサビが必要になります。
追い口は低めから切り始め、ツルの高さを低くします。

難しいのはツルの厚みです。
厚みが小さいと、木が起きる前にクサビによりツルが破断し、後ろに木は倒れてしまいます。
とても危険です。
でも、厚すぎると、クサビを打てど木は起きないなんてことになります。
丁度良い塩梅のツルの厚みにする調整が必要になります。
その点、ガターカットの伐り方だと、クサビの効果を発揮し木を起こし易いです。
参照 ガターカットの伐り方

ガターカットで安全に立ち木を倒す
立木を伐採する切り方にガターカットという方法があります。このガターカットは一般的ではないのですが、むしろ初心者向きの伐倒方法に、私は感じています。しかも、倒す方法を定めやすいです。そのガターカットの方法のエッセンスを記します。メリットが多い...
難しい!木の横に重心がある木の伐倒
木の重心が倒したい方向の横にある木が、最も多いと私は感じています。
それは走光性の所以です。
実際、伐倒するのに手間がかかる木です。
こういう木の伐倒では、ツルの作り方に工夫が必要になります。
ツルの厚みを均一ではなく、変えます。

ツルが厚ければ、そちら方向に倒れやすくなります。
それ故、重心がある方のツルは狭く、反対側は厚く作ります。
このツルの形を作るのに、追い口切りより追いツル切りの方が、余裕をもって出来るでしょう。
クサビは2種類使います。
まずは、重心側に傾かない様に支える為にクサビを差し込みます。
もう一つは重心を前に移動させるために打ち込むクサビです。
ツルの厚い方に差し込みます。
傾いた木を伐倒するの要点をまとめると以下の様になります。
- 木の重心がどこにあるのか、推察しましょう
- 伐倒方向に対して重心が前か後ろかを見て追い口の高さを変えましょう
- 重心が横にある場合、ツルの形に注意が必要です
- ツルの大きさや形を思い通りに作る様、努めましょう
- クサビにより、ツルを破断してしまうことがあるので注意しましょう
- 裂け上がりにならない様、注意しましょう
- 追い口切ではなく、追いヅル切りで伐倒しましょう
