薪を乾かす
多くの薪ストーブは広葉樹だけでなく、針葉樹も燃やすことができます。
薪の条件は乾燥していることのみです。
だから薪割りしても直ぐには使えません。しばらく、乾燥するまで待つ必要があります。
例えば、梅雨前に薪割りした木は、その年の冬ではなく、翌年の暮れ辺りから使うつもりでいると良いと思います。
薪の乾かし方
薪の乾燥度合いを含水分率という言葉で表現したりします。薪に含まれている水分量を意味します。
どの位まで乾けば薪ストーブにくべられるか?
目標とする乾燥度合いは、含水分率20%程と言われています。
乾かすと言うと天日に干すといったイメージがありますが、薪の場合、必ずしも天日ではありません。
薪の乾かし方のポイントは3つです。
- 雨に濡らさない
- 風干しにする
- 地面に直接置かない
・・・という事は東屋の様な風通しの良い、屋根のある所に置くことです。
屋根の下という事は、必然、日に当たり難くなりますが、それで良いという事です。
地面に直接薪を置くと、地面からの湿気が薪に伝わってしまいます。
スペースを作り、風が薪の下も通る様にしたいです。
上の写真は足場材を使って薪を置く場所を作ってあります。下が空間になっていると湿気が風で飛ばされるので、薪を乾燥させ易いです。
薪ストーブの取扱説明書を読みましょう!
薪はどれくらい乾かしたらいいのか?
薪ストーブの取扱説明書に記載されているものもあります。
例えば、私の薪ストーブでは、薪の含水分率は15%がおすすめだと記されています。
15%までにする乾燥期間はどれくらいかかるのか?
それは、なんと2年半と記されています。
一度、取扱説明書をチェックしてみましょう。
薪の乾燥度合いの確認方法
一般的に薪の乾燥期間は1年6か月程と言われています。
それ故、いつ割った薪なのか分かるようにしておく必要があります。
例えば、今年の5月までに割った薪はこの薪棚に保管するといった様に薪棚を分けるといった方法です。
乾燥期間を把握できる様にする事により、乾燥度合いを推し量れる様にします。
また、実際に含水分率計を使って、乾燥度合いを計測する事が出来ます。
上の様に露出した部分を計測すると低めに出ます。
一旦少し切って、切り口を計測した方が正確です。
含水分率計はそれ程、高価なものではないので、持っていると便利です。
薪の置き方
薪棚は作るのに大変かもしれませんが、出来てしまえばかなりの量を保管する事が出来ます。
薪棚があると薪の量を推し量ることが出来ます。一冬分の薪の量とは薪棚のどれくらいまでなのか見た目で判断出来るので、便利です。
薪棚を作っておくことをお勧めします。
でも、実際は薪棚以外の方法で薪を置いている人もいます。
雨に当たらない様にすれば良いので、必ずしも薪棚を設けなくとも薪を乾燥させる事ができます。
プロの薪の置き方
下は、実際、薪屋さんでの乾かし方です。
薪をパレットの上に積みあげて、上にブルーシートを載せています。
雨の時はブルーシートを下に降ろし、横殴りの雨でも濡れない様にする事ができる訳です。
井桁に積み上げる薪の置き方
風通しが良いので乾燥し易いと言われているのが、薪を井桁で積み上げる方法です。
但し難点があって、強風で倒れてしまいます。
日本には台風が来ますからね。
キャンプ道具を使った薪の置き方
キャンプで使う大きめのタープを広げ、その下に薪を積みあげる薪ストーブ愛好家もいます。
これならとても簡単です。
カゴ車やメッシュボックスを使った薪の置き方
工場や倉庫などで使うカゴ車やメッシュボックスを使ってカーポートや車庫に薪を置いている人もいますね。
雨にぬれずに風通しが良い置き方だと思います。
スイス積み
スイス積みは薪棚と違い、ローコストで薪を置けるというメリットがあります。
円形に薪を置いていく積み方です。
でも、難点は、乾燥して来ると崩れやすくなります。
薪の乾燥期間と薪の量
一般的に薪の乾燥期間は1年6か月と言われていても、場所によりけりです。
風通しが良い場所ならば、乾燥は早いのでしょう。
しかし、湿度が高く、風通しが良くない場所だと、薪の乾燥期間は長くなります。
例えば、別荘地や雪が降る場所などです。
仮に、薪割りした3年後にしか薪が使えないとなると、3年分の薪はストックしておかなければならなくなります。
乾燥に時間がかかる場所程、沢山の薪のストックが必要になります。
薪棚の作り方 例
薪棚の作り方の一例として、私が随分、簡易に作った薪棚のDIYの事例を紹介します。
私は素人ですから、出来るだけ楽をして作る方法で薪棚を作りました。
基本、この方法は現物合わせになるので、思い描いた通りには必ずしもならないかもしれません。
私が作った薪棚の製作手順は以下の通りです。
- 水平の基礎を作る
- 構造のユニットになる四角い枠を作る
- 四角い枠のユニットをつなげて棚の構造にする
- 屋根に傾斜をつける為の土台を作る
- 屋根部分を作る
- 屋根を屋根の土台の上に設置する
- 壁面に板を貼る
- 材を敷いて床を作る
基礎作り
最も難しい仕事を一番初めに行います。
基礎作りの作業です。本当はコンクリートで固定した基礎・土台を作ると良いのでしょうが、私はブロックを置くだけで済ませました。
それでも、どれも水平の高さに合わせなければなりません。水平器は大きめのを購入しました。
縦横ともに水平になる様に合わせていかなければなりません。それが根気のいる作業です。
スコップで土を盛ったり削ったりして、水平になる様に調整します。地道な作業です。
この作業、一日かけるつもりで臨んだ方が良いでしょう。焦る気持ちを抑えて何度も測りなおして行いました。
四角い枠作り
柱になる部分を四角枠で作ります。
この枠は一人でも作れます。それがこの薪棚作りを簡単にしてくれています。この四角い枠を3つ作りました。
これが構造のユニットになります。
四角い枠の下部を横引きでつなげる
四角い枠のユニットを3つ基礎のブロックの上にのせます。
風がない日に作業はします。それでないと四角い枠が倒れて来てしまい作業し難くなります。
誰かに持ってもらうか下に、重しを置くと作業を進め易いです。
3つの枠を横引きを入れてつなぎます。
この時、下の図では、下部しか横引きいれていませんが、上部も入れます。
基礎が水平になっていて、四角い枠が直角であれば、直方体が出来上がる筈です。
これにより構造らしきものが出来上がって来ます。
傾斜のある屋根の土台作り
雨水が流れる様に屋根は水平ではなく、斜めに取り付けたいです。
そこで、上部の前方には高さのある材を後ろには低い材の横引きを入れます。
これが屋根をのせる土台になります。
薪に雨が濡れにくくなる為に、土台は直方体より長くします。
屋根部分を作る
屋根は本体とは別に作りました。素人には高所での作業は難しいと思ったからです。
波板は規格品なので、切断せずに、そのままの大きさを使うとすると屋根の大きさが概ね決まってきます。
波板をのせる木枠を作ります。波板と波板の境は重ねます。木枠には打ち付けるのに縦引きの木を入れます。
そして上に波板を打ち付けていき、屋根部分は完成です。
屋根を設置
屋根をのせる台になる材を縦に入れていきます。
上にのる屋根の枠に継ぎ目がある場合は、この台の材を入れる場所に気をつけて下さい。
そしていよいよ屋根を設置します。
屋根は持ちあげるのに結構重かったです。これ以上、大きい屋根だと地面で先に作っておくのは難しいかもしれません。
持ちあげるのに大変になります。
壁面に板を貼る
後は三面の壁面に板を貼っていきます。
風が通る様に全面を覆う様に事はせずに、隙間を入れました。但し、横殴りの雨の時には隙間があると雨に当たり易くなります。
床を作る
床には薪が沢山載るので、重さに耐えられる様にします。
ブロックを地面にいくつか置き支点になる様にします。その上に板がのる様にしたいのですが、それがなかなか難しいです。
高さを調整して合わせていきます。
最後に塗装をすれば薪棚は完成です。
私は初めに防腐剤を塗ってからその上にペンキを塗りました。
一度、薪棚を作ってしまえば要領はかなり習得できると思います。
2つ目は簡単になります。